労働災害(労災)について、被害者の方やご家族からよくいただく質問と回答をまとめました。労災保険の手続き・会社とのトラブル・損害賠償・弁護士費用まで、知りたいことを短く確認できます。
よくある質問
労災にあった直後
- 労災にあったら、まず何をすればいいですか?
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まず、病院で治療を受けることが必要です。その際、「仕事中のケガ」であることを病院に伝えてください。治療費は労災保険の「療養(補償)給付」でまかなえるため、健康保険は使わないのが原則です(通勤中のケガも同様です)。
手続き全体の流れは労災申請の手続の流れをご覧ください。
- 労災なのに健康保険を使ってしまいました。どうすればいいですか?
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労災保険への切り替え手続きが必要です。仕事中・通勤中のケガや病気には健康保険は使えません(健康保険法55条1項)。
- 受診した病院に「労災でした」と伝え、健康保険から労災保険へ切り替えられるか確認します。
- 病院で切り替えできない場合は、労災保険で「療養の費用」を請求します。健康保険から給付された治療費の返金が難しい場合、そのことも労基署に伝えます。
- 同時に、加入している健康保険組合(国民健康保険の場合は市役所など)へ連絡をします。
労災保険の請求手続き全体は労災申請の手続の流れをご覧ください。
労災保険の給付と手続き
- 労災の休業補償はいくらもらえますか?
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休業4日目から、1日につき給付基礎日額の80%(休業(補償)給付として60%+休業特別支給金として20%)が支給されます(2026年8月時点)。
給付基礎日額は「事故発生直前3ヶ月間の賃金総額 ÷ その期間の暦日数」で計算します(賞与などは含みません)。
申請手続きの流れは労災申請の手続の流れをご覧ください。
- 後遺障害が残ったら、労災保険に何を請求できますか?
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「障害(補償)給付」を請求できます。後遺障害の等級(重い順に第1級〜第14級)に応じて、年金または一時金が支給されます(2026年8月時点)。
- 第1級〜第7級:年金(給付基礎日額の313日分〜131日分/年)+障害特別支給金 +障害特別年金(算定基礎日額のの313日分〜131日分/年)
- 第8級〜第14級:一時金
- 手続きの流れ:診断書などの必要書類を労働基準監督署に提出 → 労基署が審査 → 等級の認定・支払い
等級ごとの給付金額や手続きの詳細は労災による後遺障害とは?手続の流れや給付金額をご覧ください。
- 退職した後でも労災保険は使えますか?
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使えます。 在職中に起きた業務災害・通勤災害であれば、退職の理由を問わず、退職後でも労災保険を請求できます(労災保険法12条の5第1項)。すでに受けている給付も、支給要件を満たす限り退職後も継続されます。
詳しくは退職後でも労災保険を申請できる?をご覧ください。
- 労災事故について自分にも過失がありますが、労災保険は使えますか?
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使えます。 労災保険は、労働者に過失があっても給付されます。
ただし、わざと(故意に)事故を起こした場合は給付されません(労災保険法12条の2の2第1項)。また、重大な過失で事故を起こした場合は、給付の一部が制限されることがあります(同条2項)。
- 会社が「うちは労災保険に入っていない」と言っています。労災保険は使えませんか?
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使えます。 会社が加入手続きや保険料の納付を怠っていたとしても、労働者は労災保険を使えます。
会社とのトラブル
- 会社が「労災とは認めない」「労災保険を使わせない」と言っています。どうしたらいいですか?
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労災かどうかを判断するのは会社ではなく労働基準監督署です。会社の許可や協力がなくても、労働者自身で労災保険を請求できます。
- 会社が労災の発生を隠す「労災隠し」(労働者死傷病報告を提出しない、虚偽の内容で提出する)は、50万円以下の罰金が科される犯罪です(労働安全衛生法120条5号など)
- 会社の対応があまりにひどい場合は、労働基準監督署に相談しましょう
会社の協力なしで請求を進める手順は労災申請の手続の流れをご覧ください。
- 会社が請求書の「事業主証明欄」に署名してくれません。どうすればいいですか?
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事業主証明がなくても労災保険を請求できます。 この場合、「会社に証明を求めたが拒否された」という経緯を説明して、労災を申請します。
- 会社と労働者で事故についての認識が食い違う場合、会社が証明を拒否することは珍しくありません
- 証明を拒否されたことを理由に、請求をあきらめる必要はありません
会社への損害賠償・示談
- 労災で慰謝料はもらえますか?
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労災保険からは慰謝料は支払われません。 慰謝料を受け取るには、労災保険の給付とは別に、会社などに損害賠償を請求する必要があります。
- 労災保険がカバーするのは治療費・休業補償などであり、精神的苦痛への賠償(慰謝料)は含まれていません
- 会社への慰謝料請求が認められるには、会社に安全配慮義務違反(過失)があったことを被災者側が立証する必要があります
- 慰謝料の金額は入通院期間・後遺障害等級などで変わり、後遺障害や死亡事案では数百万〜数千万円になることもあります
「労災認定された=会社に賠償請求できる」ではない点にご注意ください(詳しくは次の「労災認定されたら、会社への損害賠償も認められますか?」をご覧ください)。
- 労災認定されたら、会社への損害賠償も認められますか?
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労災認定と会社への損害賠償は、別のものです。 労災が認定されても、会社への損害賠償が当然に認められるわけではありません。
- 労災保険:会社に落ち度(過失)がなくても、業務災害・通勤災害と認められれば給付されます
- 会社への損害賠償:会社に安全配慮義務違反(過失)があったことを、被災者側が主張・立証する必要があります
- 一方で、労災保険では慰謝料などが補償されないため、損害の全体を回収するには会社への賠償請求が必要になるケースが多くあります
損害賠償の請求を見据えて、労災を申請する段階から準備を進めることが重要です。
- 会社と示談するとき、何に注意すればいいですか?
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示談書にサインする前に、必ず金額の妥当性を確認してください。 いったん示談が成立すると、原則として後から追加の請求はできません。
- 後遺障害の等級が確定する前に示談しないこと(等級によって損害額が大きく変わるため)
- 慰謝料や逸失利益(働けなくなったことによる将来の収入減)が適切に計算されているか、専門家への相談をお勧めします
- 会社との示談交渉を自分で行うのは難しいですか?
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賠償額の相場や交渉の進め方が分からない中で、数百万円、時には数千万円以上になる賠償金の交渉をご自身で行うのは、難しい場合が多いのが実情です。
- 「会社が話し合いに応じてくれない」「そもそも何を請求できるのか分からない」という理由で弁護士に依頼される方が多くいらっしゃいます
弁護士に依頼するメリットや費用の考え方は労災に強い弁護士の特徴をご覧ください。
死亡事故・過労死のご遺族の方へ
- 家族が仕事中の事故で亡くなりました。遺族は労災保険に何を請求できますか?
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主に「遺族(補償)給付」と「葬祭料」を請求できます。
- 遺族(補償)年金:亡くなった方の収入で生計を維持していた配偶者・子・父母などが対象です(対象者には、範囲や順位があります)
- 遺族(補償)一時金:年金を受け取れる遺族がいない場合などに支給されます
- 葬祭料:葬儀を行った方に支給されます(遺族の方に支給されることが多いです)
また、会社に過失がある場合は、労災保険とは別に、会社への損害賠償請求(慰謝料を含む)も検討します(詳しくは「労災で慰謝料はもらえますか?」をご覧ください)。
- 家族の過労自殺を労災と認めてもらい、会社にも責任を追及したい。何をすればいいですか?
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大きく2つの段階に分けて進めます。第1段階が「労災認定を受けること」、第2段階が「会社への損害賠償請求」です。第1段階で労災認定を得られるかどうかが、第2段階の成否にも大きく影響します。
第1段階(労災認定):
- 証拠収集:給与明細・タイムカードのほか、労働時間や業務の過重さが分かる資料(メール、手帳など)を集めます
- 申立書の作成:業務がどれほど過重だったかを、証拠に基づいて書面で労働基準監督署に説明します
- 遺族(補償)給付を請求し、労基署の調査・聴き取りに対応します
第2段階(会社への請求):
- 労基署の調査資料を「保有個人情報開示請求」で入手します
- 会社の過失の有無と損害額を検討します
- 会社との示談交渉を行い、まとまらなければ訴訟などの法的手続きに移行します
第1段階の準備の質が、最終的な結果を左右します。
こんな場合、労災になりますか?
- 休憩時間中のケガは労災になりますか?
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休憩中の私的な行動によるケガは、原則として労災になりません。ただし、会社の施設や設備が原因のケガであれば、休憩中でも労災と認められるケースがあります。
- 労災になりにくい例:休憩中にスポーツをしていて負傷した(純粋な私的行為)
- 労災になりうる例:社内の階段の欠陥で転倒した、食堂の設備の不備でやけどをした(施設・設備に起因)
- 業務中にトイレや飲水など生理的行為を行っている際のケガは、業務に付随する行為として原則として労災になります
労災になるかどうかの最終判断は、会社ではなく労働基準監督署が行います。
- 通勤の途中で寄り道をしてケガをした場合、労災になりますか?
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寄り道(通勤経路からの逸脱・中断)をした後のケガは、原則として通勤災害になりません。ただし、日用品の購入や通院など「日常生活上必要な行為」のためのやむを得ない最小限の寄り道であれば、通常の経路に戻ったあとのケガは通勤災害と認められます(労災保険法7条3項)。
- 認められる例:日用品の買い物のあと、通常の通勤経路に戻ってからの事故
- 認められない例:寄り道の最中(店内など)での事故
- 仕事が原因の病気(熱中症・脳や心臓の病気・うつ病など)は労災になりますか?
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なります。 ケガだけでなく、業務が原因の病気も労災保険の対象です。労災認定の基準を満たしていることの根拠資料が重要です。
- 脳・心臓疾患や精神障害:病気になった要因(長時間労働など)について、認定基準に沿って判断されます
- アスベスト(石綿)による中皮腫・肺がんなども対象です
弁護士への相談・費用
- いつ弁護士に相談すればいいですか?
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早ければ早いほど、打てる手が多くなります。 治療中や労災保険の申請前でもご相談いただけます。
- 早期にご相談いただければ、治療の受け方、後遺障害申請のための検査、証拠の確保などについてアドバイスできます
- 事故直後・症状固定後・示談交渉中、どのタイミングでもご相談いただけます
ご相談の進み方は相談の流れをご覧ください。
- 相談は無料ですか? 費用はいくらかかりますか?
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当所では、初回相談は原則として無料です。費用の目安は料金ページをご覧ください
- ご相談時に、「相手から取れる金額より弁護士費用の方が高くなる可能性が高い」と判明した場合、その見通しを明確にお伝えします
- 相談したら、必ず依頼(契約)しなければいけませんか?
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いいえ。相談だけで終了してもまったく問題ありません。 初回相談の場で契約を求めることもありません。
契約内容や弁護方針のご説明を聞いたうえで、一度お持ち帰りいただき、じっくりご検討ください。もちろん、その場でのご契約をご希望される場合も対応いたします。
- 依頼した後、事務所に何回くらい行く必要がありますか?
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初回相談の後のご来所は、0回で解決しているか、裁判にするかどうかなどの重要な局面で打ち合わせが必要になった方でも1〜2回が多いです。
- 裁判になったら、遠方の裁判所への出張費がかさみませんか?
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弁護士が裁判所に出向くことが減りました。 現在の民事裁判はインターネット化が進んでおり、証人尋問など一部の場合を除き、WEB会議による期日で進みます。
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡など、全国どこの裁判所の案件でも、事務所と裁判所をインターネットでつないで対応するため、出張日当や交通費が多額になるケースは少ないです。
- 弁護士費用倒れになりませんか?
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依頼者にマイナスとなる見通しの案件は、原則としてお受けしていません。 初回のご相談の際、「相手から取れる金額」より「弁護士費用」の方が高くなりそうと判明した場合、その見通しをはっきりお伝えします。
- 「弁護士に依頼せず、ご自身で解決した方がよい案件」「税理士・司法書士など他の専門家に依頼した方が適切な案件」も、相談時に率直にご説明します
- 費用の目安は料金ページをご覧ください

0120-551-887