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製造業でよくある労災事故の傾向と対策

製造業は、労災事故が頻発している業種です。

厚生労働省の資料によると、毎年のように労災による死傷者数は「製造業が1位」となっています。
労災事故による死者数も建設業に次いで多く、特に注意が必要な状況といえるでしょう。

今回は製造業でどのような労災事故が多いのか、具体例や対策方法を弁護士の立場からお伝えします。

製造業で働くみなさまやご家族の方はぜひ参考にしてみてください。

目次

製造業は労災事故が多い!

製造業は、数ある業種の中で特に労災事故発生率が高い業種です。

平成31年/令和元年労働災害発生状況の分析(厚生労働省)」によると、令和元年における労災事故死傷者数は製造業が26,873名で1位であり、2位の陸上貨物運送業15,382名を大きく上回っています。

死者数も建設業の269名に次いで2位(141名)となっており、高い水準です。
製造業に携わっている限り、労災事故は決して他人事とは言えない現状があります。

製造業でよくある労災事故

製造業でよくある労災事故を、以下に挙げます。

1位 はさまれ・巻き込まれ事故

製造業で最も多いのは「はさまれ、巻き込まれ事故」です。

よくあるのは操作している機械にはさまれたり巻き込まれたりするケースです。大けがをしたり、ときには死亡することもあります。

事故の原因は、主に機械の管理不良、操作ミス、操作者のスキル不足(初心者が1人で操作する)などです。

2位 転倒事故

滑りやすい場所で作業していて転倒するケース、床に段差や障害物があって転倒するケースが典型です。

3位 墜落・転落事故

製造業では、高所で作業を行うことも少なくありません。
安全のための施策をしっかりと実施していなければ、高いところから転落して大けがをしたり死に至るリスクが発生します。

4位 切れ・こすれ事故

製造業では、切れやこすれによる労災事故も多数発生するので注意が必要です。
典型的なケースとして、刃物を扱い自分の手や指を傷つけてしまうものが挙げられます。

食品加工業などでは機械の整備不良、労働者本人の操作ミスやスキル不足などが原因となります。

5位 飛来物・落下物による事故

物が空中から飛んできて労働者の身体に当たり、労働者が死傷してしまうパターンです。

例えば機械の整備不良により、作業に使っていた石や金属破片が飛んできて当たったり、複数の労働者が共同作業をしているときに1人の操作ミスによって他の労働者のいるところに物が飛んで当たるケースなどがあります。

製造業の労災事故の原因は?

製造業で労災事故が起こる要因は、どういったものが多いのでしょうか?

1.安全管理の不徹底

まずは安全管理の不徹底が挙げられます。
企業が労働者を危険な業務に従事させるときには、必ず安全のための施策を実施しなければなりません。

それにもかかわらず、予算や人員などのコスト不足で安全のための措置がしっかりとられていないケースが多々あるため、労災事故につながってしまいます。

2.操作ミス

労働者自身が機械の操作などを誤ったりするだけでなく、共同作業者の操作ミスで事故を招いてしまうケースもあります。
危険な作業に従事するときは油断は禁物といえるでしょう。

3.教育不足

雇用主が従業員に危険を伴う業務をさせるときには、しっかりと安全のための教育をしなければなりません。

それにもかかわらず、きちんと指導教育しないままに初心者を危険な業務につけてしまう企業が多々あるため、労災事故発生のリスクが高まります。

4.人員不足

労災事故は人員不足が原因となって起こるケースもあります。
本来なら2名以上で従事すべきところ、無理に1名で対応する場合や、勤務が続いて休ませるべきであるところ、人が足りないので疲れた状態で長時間労働をさせた場合などのケースがあります。

人員不足で無理矢理働かせた場合にも、企業側に責任が発生する可能性があります。

労災事故に遭った場合の対処方法

製造業で労災事故に遭ってしまったら、以下のように対応しましょう。

1.労災保険の申請

まずは労災保険の申請をしましょう。

治療費(療養補償給付)、休業補償、後遺障害に対する保障(障害補償給付)などが受けられます。

労災保険では、それぞれの給付について労基署へ申請書を提出しなければなりません。後遺障害診断書など、資料が必要な場合もあります。

申請できる労災保険の種類や申請方法がわからない場合には、弁護士がお力になりますので、ご相談ください。

2.企業側へ損害賠償請求

企業が適切に安全配慮のための措置を行っていなかった場合、企業側へ損害賠償請求も可能です。これは、企業側の安全配慮義務違反(労働契約法5条、民法415条1項・709条)や共同作業者のミスによる使用者責任(民法715条)に基づきます。

労災保険と損害賠償の費目や支払金額は異なります。たとえば労災保険からは慰謝料が払われませんが、企業側に過失があれば慰謝料も請求できます。

また、労災保険から受給した障害補償給付や遺族補償給付は、逸失利益(後遺障害や死亡により失った稼ぎ分)を一部補償するものですが、裁判をした場合に認められる賠償基準の満額は支払われていないことがほとんどです。

企業と交渉しても賠償金の支払を受けられない場合、民事訴訟や労働審判を起こして払わせることもできるので、弁護士へ相談しましょう。

労災事故に遭われたら弁護士まで相談を

製造業で労災事故に遭ったとき、会社が協力してくれるとは限りません。むしろ会社へ損害賠償請求すべきケースも多いです。

労災保険の申請や企業への損害賠償請求の際、労働者の味方になるのは弁護士です。

シーライト藤沢法律事務所では神奈川の労働者の方が安心して働けるようにさまざまなリーガルサポートを提供しております。

労災事故でお悩みの方は、まず一度ご相談ください。

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