事故類型 | 機械等の巻き込まれ・挟まれ、自動車等の衝突・轢過 |
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職種 | 物流作業員 |
傷病名(症状) | 足指の骨折、足爪の剥離 |
相談時の状況 | 症状固定 |
年代 | 40代 |
勤務形態 | 派遣社員 |
被災した状況 | トラックへの荷揚げ作業中に、荷台とパワーゲートの間に足を挟まれて被災した |
ご相談者 | ご本人 |
相談内容
ご相談者は、トラックのパワーゲート上にあるコピー機などを車両の荷台にまで運搬する作業を行っていました。その最中に、派遣先の従業員であるトラックの運転手が何の声掛けもなくパワーゲートを接地状態から上昇させたため、片足が荷台とパワーゲートの間に挟まれてしまい、足指の骨折等の怪我を負いました。
労災事故であり、交通事故(運行供用者責任)にも該当する事故だったので、ご自身で自賠責保険の後遺障害保険金申請をしたところ、後遺障害等級12級が認定されました。 後遺障害等級12級の認定を受けたうえで、派遣先の会社(トラックの所有者)に慰謝料を求めたところ、取り合ってもらえなかったとのことで、弊所にお問合せいただきました。
弁護士からのアドバイス
①損害賠償請求
面談で詳しくお話しを伺ったところ、会社側の責任を追及できる可能性があることがわかりました。例えば運行供用者責任や使用者責任など、具体的にどのような責任を追及できるのかを精査するため労災保険へ保有個人情報開示請求を行なうようアドバイスしました。
②後遺障害等級
後遺障害等級12級12号は「一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの」に対して認定される等級です。残存した後遺障害や症状などを詳しく伺った結果、妥当な等級認定であることがわかりましたので、しっかりと認定されている旨をお伝えしました。
③「交通事故」としての性質がある
(1) 「自賠法」が適用される可能性がある
典型的な交通事故とは異なりますが、本件のような自動車事故の場合、自動車損害賠償保障法3条が適用される可能性があることをお伝えしました。
一般的な労災事故の場合、会社側(加害者側)に過失があったことを、被災者側で立証する必要があります(立証できなければ、損害賠償責任は否定されます)。一方、自賠法が適用できる事故の場合は、加害者側が立証責任を負いますので、被災者側で立証する必要はありません。こういった事故の場合には、一般的な労災事故に比べて、有利に交渉や裁判を進められることが多いのです。
会社側へ損害賠償請求していくにあたっては、同様事故の裁判例の調査や、更なる資料収集と情報の精査が重要になるとお伝えしました。
(2) 「弁護士費用特約」が利用できる可能性がある
本件のような自動車事故でもあり労災事故でもある、という場合には、保険の弁護士費用特約が利用できる可能性があります。約款にもよりますが、弁護士費用特約が利用できる場合には、弁護士費用を保険会社に支払ってもらえますので、ご自身の負担を大きく減らして弁護士に依頼することができます。
弁護士費用特約を利用できるかどうか、ご加入の保険会社へ確認するようアドバイスしました。
所感・まとめ
「自身で会社側に損害賠償請求や慰謝料の話をしたが取り合ってもらえなかった」という話は、しばしば耳にします。他方で、弁護士が介入した途端に会社側の態度が一変し、交渉に応じる姿勢を見せることもまた、よくあることです。被災者本人やご家族だけで「なんとかしよう」とするのではなく、まずは専門家へご相談なさることをお勧めします。
また、本件のように労災事故であっても、交通事故に関する保険が使える場合があります。当所では、交通事故案件も多く取り扱っておりますので、自動車が関係する労災事故に遭われた方は、お早めにお問合せいただき、無料相談をご利用いただければと思います。
この記事の監修弁護士

弁護士法人シーライト
副代表弁護士 小林 玲生起
神奈川県弁護士会所属。労災やアスベスト被害などの分野における相談実績多数。わかりやすい説明で被害に遭われた方々からの信頼も厚い。医師×弁護士の対談動画出演や弁護士向け教材の講師も務め、人身損害被害全般の救済に従事している。