事故類型 | 墜落・転落 |
---|---|
職種 | 小売店舗店長 |
傷病名(症状) | 胸骨骨折、内臓破裂、等 |
相談時の状況 | 治療中 |
年代 | 40代 |
勤務形態 | 正社員 |
被災した状況 | ビルの屋上から転落して被災した。 |
ご相談者 | ご本人 |
相談内容
ご相談者は、上司の指示によりエアコン室外機の修理のため3階建てのビル屋上に登り、転落してしまいました。高所から転落したため、全身の骨折のほか内臓が破裂する等の重傷を負いました。
障害給付の申請を行うにあたり、手続や必要な対応を知りたいのとのことで連絡をいただきました。
弁護士アドバイス
①MRI検査
症状固定になる前に、MRI検査を受けることをアドバイスしました。障害補償給付を請求するにあたり、後遺障害が残存したことを立証する証拠が必要になります。具体的には、症状に合わせた各種検査が必要になります。
ご相談者の場合、事故から間もないころにMRI検査を受けて以降、受けていないとのことでした。MRI検査は、事故から間もないころに受けることも重要ですが、症状固定が近い頃に再度受けることも重要です。
治療経過及び治らなかった(=後遺障害が残存した)ことを立証するには、事故直後・症状固定時でどのような変化があるかを比較できることが望ましいためです。
②後遺障害診断書の記載内容
次に後遺障害の診断書についてアドバイスしました。
障害補償給付の申請では、残存した後遺障害を的確に診断書に記載する必要があります。診断書に的確な内容を記載していないと、後遺障害が残存したのに認めてもらえない(適切な障害給付が給付されない)こともあります。
賠償分野に詳しい専門家でなければ、必要な記載の有無を判断することが難しいため、障害補償給付の申請前に診断書を弁護士が確認することが望ましいです。
ご相談者の場合、様々な症状が生じていたため、医師に対し後遺障害の診断書に記載いただくことを依頼するようアドバイスしました。
③保有個人情報の開示
事故状況に関する資料を収集するため、保有個人情報の開示をアドバイスしました。
保有個人情報の開示とは、行政機関個人情報保護法に基づき、行政機関が保有する個人の情報を本人に対して開示する制度です。
労災の場合、労働局に対し保有個人情報開示請求し、労災事故に関する資料の開示を請求することができます。
この制度を利用することで、災害調査復命書や保険給付実地調査復命書など、事故状況などの資料を収集できることがあります。
※保有個人情報開示請求制度についての詳しいご説明はこちら
労災事故では、使用者などに対し安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求できることがあります。請求にあたり、安全配慮義務違反を具体的に立証する資料が必要になります。
ところが、労災事故ではどのような事故が起きたのかがはっきりしないケースも多いです。事故の詳細がはっきりしなければ、安全配慮義務違反を立証することが難しくなります。そのため、保有個人情報の開示により資料を収集することが重要になります。
所感・まとめ
弊所では、事故に遭われた直後から、必要な治療や検査・資料収集について、ご相談をお受けしております。
事故から長期間が経過してしまうと、必要になる証拠が散逸してしまうこともあります。そのため、事故に遭われたら、早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。
弊所では、労災事故の被害者の方からの初回相談は、お客様の自己負担はありません。
ぜひ、お気軽にご相談ください。