事故類型 | 機械等の巻き込まれ・挟まれ |
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職種 | パワーショベルオペレーター |
傷病名(症状) | 脛腓骨骨幹部骨折、リスフラン関節・ショパール関節脱臼骨折 |
相談時の状況 | 症状固定 |
年代 | 50代 |
勤務形態 | 正社員 |
被災した状況 | パワーショベルから降りる際、キャタピラに足を巻き込まれて被災した。 |
ご相談者 | ご本人 |
相談内容
ご相談者がパワーショベルを操縦していてエンジンを付けたまま降りようとした際に、キャタピラに足を巻き込まれてしまった事故でした。
ご相談者は、キャタピラに足を巻き込まれそうになったときにパワーショベルについている手すりにつかまり、巻き込まれるのを避けようとしました。しかし、パワーショベルのペンキ塗り替えのために手すりが外されていたので、キャタピラに巻き込まれることを避けることができず、事故が発生してしまいました。
症状固定になり、医師に後遺障害の診断書を作成いただいた段階で、勤務先への示談交渉についてご相談したいとのことで、ご連絡いただきました。
弁護士アドバイス
(1) 事故資料の収集
まず、事故が発生した状況が分かる資料を収集する必要があるとご説明しました。具体的には、可能であれば下記の資料を確保・コピーすることが望ましいとアドバイスしました。
・事故現場を撮影していた防犯カメラ映像
・パワーショベルの写真撮影
・パワーショベルの機械名が分かる資料(譲渡証明書など)
労災事故では、使用者などに対し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求します。請求にあたり、安全配慮義務違反を具体的に立証する資料が必要になります。
ところが、労災事故ではどのような事故が起きたのかがはっきりしないケースも多いのです。事故の詳細がはっきりしなければ、安全配慮義務違反を立証することが難しくなります。そのため、事故状況の詳細が分かる資料を早期に収集する必要があります。可能であれば、なるべく事故発生直後にご相談いただくことが望ましいです。事故から時間が経過するほど、資料の確保が難しくなるためです。
(2) 診断書の記載内容
次に後遺障害の診断書における望ましい記載をご説明しました。ご相談者のケースでは、後遺障害として可動域制限のみが記述されていて、痛みに関する記述がない診断書でした。そこで、痛みに関する記述を医師に追記いただくことをアドバイスしました。
労災の障害給付の申請では、残存した後遺障害を的確に診断書に記載する必要があります。診断書に的確な内容が記載されていないと、後遺障害が残存したのに認めてもらえない(適切な障害給付が給付されない)こともあります。
そのため、弁護士が障害給付の申請前に診断書を確認することが望ましいです。賠償分野に詳しい専門家でなければ、必要な記載の有無を判断することが難しいためです。
所感・まとめ
本件のご相談者は、症状固定となり、これから後遺障害申請へ進むという段階でご相談にいらっしゃいました。後遺障害診断書を労基署へ提出する前にご相談いただけましたので、記載内容についてアドバイスをすることができました。
弊所では、事故に遭われた直後から必要な治療や検査についてのご相談をお受けしています。お早めにご相談いただければ、治療の段階に応じた検査や治療についてのアドバイスや、診断書や医師の意見書などに事実に即した記載がなされているかなどの確認、早期に集めておくべき証拠の収集、と色々な手を打っておくことができます。このようにしっかりと準備を進めていくことで、後遺障害等級の認定が変わる可能性があります。
労災事故の被害者の方からの初回相談は、お客様の自己負担はありません。ぜひ、お気軽にご相談ください。